シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナーなどについて、
私たちは、案外と漠然とした知識やイメージで捉えている場合が多いかもしれません。
当サイトでは、シャンプーを中心に、その「中身」が何であるのか、
また毛髪や頭皮に対してどのように作用し、効果やリスクをもたらすのかについて
そのメカニズムを学び考え、毛髪や頭皮のケアの参考にしていきたいと思います。
天然物は多くの化学物質の集合体ですから、
そのなかの特定成分が有効であったり複合的な効果があるなどの魅力がある反面、
集合体なるが故の弱点もあり、いかに使いこなして行くかが大きな課題です。
■精製天然物は、人間にとって毒になる物質を持っていることがよくあります。
従って毒物を除く精製を行わないと大きな問題が起こることがあります。
天然物に限らず化粧品原料では不純物が問題になることがあります。
流動性パラフィン(現在の表示名称ではミネラルオイル)の不純物が
原因で皮膚が黒ずむトラブルが過去にありました。
その後精製技術が向上し、今では問題がなくなっていますが、印象が
悪いのか「鉱物油(ミネラルオイル)無添加」がPRに使われています。
もっとも「鉱物油無添加」は、この問題より天然系を強調するための方便と思われます。
精製法の差はコストにも影響し、トレハロースの例では食品添加物グレードと
化粧品グレードを比較すると後者の方が価格面ではるかに高いです。
(生産量の影響もありますが)
食品添加物の方が厳しそうに感じますが、実は逆です。
■経験則 天然物は、自らの中に毒物を持つことがありますが、
人はある時は本能的に、ある時は長い間の経験と知識から
生活の知恵として天然物を活用してきました。
良薬口に苦し とか、 毒にも薬にもならない という言葉は、
人間の経験則を実に上手く表現しています。
人が香りを使い始めたのは4万6千年前、
石けんを使い始めたのは今から4千年前と言われますから、
その間、膨大なデータの積重ねがあります。
一つ一つのデータは曖昧なものが多いと思いますが、
圧倒的な数が精度の向上に寄与しています。
漢方にしろ、アロマテラピーにしろ、
長い経験を通して技術を 確立して来ました。
「
精製」は、
言わば「物質」を技術的に取捨選択して安全を確保していますが、
長い間の「
経験則」は、
「情報」を取捨選択して安全を確保していると考えることができます。
両者がしっかりまもられていれば天然物を安全に使いこなすことができます
あんだんてシャンプーは、
高い安全性データが揃っていて、かつ使用実績が豊富な素材だけを厳選し、
シャンプーには天然物を抽出した成分は配合していません。
従って「天然物10種配合」のような華やかさはありません。
また、使用実績の豊富な素材を優先しましたので、
現在話題になっている素材も配合していません。
低刺激性、低アレルギー性の確保には、これがベストと考え作られています。
(【
あんだんてシャンプー&トリートメント
】より)
天然物は○、化学物質は×”とする極論をときどき見かけます。
そこまで行かなくても天然物に安心感を持ち、化学物質を怖く感じる方は多いと思います。
このように「天然物」と「化学物質」を対比して考えがちですが、
実際は、天然物は化学物質の集合体です。
たとえば、
バラの香りは500種類以上の化学物質から成り立っています。
人のからだのタンパク質は10万種類くらいあります。
「天然物」の対比には「合成」が出てきます。
今は、原料は石油が主体なので
「石油からの合成」「または石油由来」として敬遠されます。
しかしながら、マクロ的に捉えれば石油は天然物由来です。
動植物は膨大の数の化学物質から出来ており、
この動植物が地球規模の温度、圧力、年月で変化したものが石油だからです。
ところで、動植物でも膨大な化学物質なので、
その集合体である石油は無限に近い化学物質の塊のようなものです。
このままでは、とても使えないので分解⇔精製を繰り返して特定の沸点の
グループ(例えば、ガソリン、軽油、重油など)として利用することもあれば、
ここまで行かない中間物をさらに分解⇔精製して単一の化学物質にして取り出します。
単一にできたので、これをもとに改めて合成することにより
新しい化学物質を生み出せば新しい機能が得られますし、
天然物と同一の化学物質を製造すれば天然物の乱獲を防げます。
このように石油の利用は私たちの生活を豊かにしてくれますが、
新しい物質であるために、まれに私たちにとってはマイナスになることもあります。
メリットとデメリット、両面を持っているのですが、
一般に悪い面だけ強調されますので、化学物質は怖いもの、
または“合成物は悪いもの”という感覚が広がっているのが現状かもしれません。
なお、天然物だから安全”という保証はどこにもなく、
【化粧品等の適正広告ガイドライン 2008年版】では、
天然物だから安全”という表現は禁止されています。
【
あんだんてシャンプー&トリートメント
】 より
天然物は多数の化学物質の混合物です。
混合物であるが故に、単体では得られない効果が出ることもあります。
それだけ魅力的ですが、その中の一成分がアレルギーのある方には
マイナスに作用することもあります。
■アレルギー物質天然物のエキスをシャンプーなどに配合する場合、
シャンプーに対して2%程度配合しないと効果がでないようです。
よく天然物10種配合などという製品がありますが、そのまま配合したら
溶剤が20%にもなります。(コスト面でも大変な負荷になります。)
そこで1つ1つの成分の配合濃度を下げます。
(どこを下げるかは別としてトータルでは約1/10に下げます。)
特定の成分についてみれば、濃度が下がった分だけ効果が減ります。
一方、アレルギー物質は極微量でも影響がでますので
成分の数が増えた分だけ影響する可能性は増えてしまいます。
数種類配合した相乗効果がないとはいえませんが、
アレルギーは個人差が大きいので「避けて通る」(配合数を減らす)
のが一番よいと思います。
天然物が10種以上、なかには18種以上も入っていると、
何か効果がありそうな感じを与えます。
化粧品はイメージ商品も大切なので、この種の配合を否定するものではありませんが、
アレルギーのある方にはお勧め出来かねる・・・と言えます。
一般的には、天然や自然派を謳うシャンプーでは
比較的低刺激性の洗浄成分を配合していることが多いのですが、
なかには汎用シャンプー用の素材を配合している例もありますので、
表示成分をチェックしておく必要があります。
なお、化粧品等の適正広告ガイドライン 2008年版では
「天然物だから安全」という表現は禁止されているとのことです。
あんだんては、「自然の恵みで楽しい入浴」を開発目標としており、
ベビーシャンプーと同じく「シンプルイズベスト」の
設計思想で臨んでいます。
(【
あんだんてシャンプー&トリートメント
】より)
天然物は、多くの場合固体(葉状または根など)として存在します。
このままで利用できませんのでエタノールやBGなどの溶剤で有効分を抽出して使用します。
ですから表示名称は「○○エキス」となります。溶剤の半分が水である場合もあります。
エキス中の有効成分はおおむね1%程度です。
有効成分の約50倍〜99倍が溶剤なので、幾つかの問題点が生じます。
一方、天然油の場合はもともと液状ですからこのような問題点はありません。
■具体的な例天然物を扱っているメーカーのカタログから、
保湿成分(角質水分量増加)、消炎成分(抗炎症)の例を。
保湿成分アロエベラエキス、カミツレエキス、ニンニクエキスなど
消炎成分アルニカエキス、オレンジエキス、ゴボウエキス、シソエキス、
カミツレエキス、セージエキス、ローズマリーエキスなど
天然油ホホバ油(ワックス状で厳密には油ではありません。)、
オリーブ油、椿油、ローズマリー油、ラベンダー油など
天然油は、シャンプーの洗浄成分としての機能と相反するので、
使いこなしが難しい面もあるのですが、
コンディショニング効果や天然物を強調する目的で配合されることがあります。
ところで、「あんだんて」の場合、
シャンプー製品には、
「天然物自体から溶剤などで抽出した素材および天然油」を配合していません。
トリートメント製品には、カミツレエキスが配合されています。
(【
あんだんてシャンプー&トリートメント
】より)
天然物を精製分離して特定の成分を取り出しますので不純物が入らない利点があります。
分離精製だけで取り出せるのが魅力です。
■グリチルリチン酸天然の甘草(かんぞう)の根から取り出します。複雑な構造式を持つ化合物です。
シャンプーはじめ化粧品では消炎成分として利用されます。
薬理効果が認められていますので、グリチルリチン酸を所定濃度配合して
医薬部外品の認証を受けることが可能です。
このため育毛シャンプーなどによく使用されています。
育毛シャンプーでは、頭皮を健やかな状態に保つことが重要ですから
天然の保湿成分が売りものにしているものがありますが、
医薬部外品としての有効成分はグリチルリチン酸であることが多いようです。
シャンプーなどに配合される場合はグリチルリチン酸2Kの形で使用されます。
■ベタイン化学名はトリメチルグリシンです。グリシンというアミノ酸の一種です。
甜菜糖製造の副生物である糖蜜から分離されます。
動植物中に存在し、人のからだにも含まれる安全性の高い化合物です。
人のからだにも存在するものなので、皮膚一次刺激性、眼粘膜一次刺激性、
皮膚感作性などは全く観察されません。
保湿成分として配合されます。
髪にしっとり感とつやを与え皮膚に浸透しやすく潤いとつやを与えます。
紫外線による退色を防止し、パーマなどの化学処理による髪の傷みを防ぎます。
保湿力が特に強いので上記の効果を発揮するようです。
なお、上記成分のうち、「
あんだんてシャンプー」の場合は、
グリチルリチン酸2Kとベタインを配合しています。
グリチルリチン酸2Kは薬効成分としての濃度で配合していますが、
医薬部外品の認可は取っていませんので薬効は謳えません。
あんだんてシャンプーを使うと退色しにくいのは、
アミノ酸系界面活性剤と高濃度で配合しているベタインの効果と考えられます。
(【
あんだんてシャンプー&トリートメント
】より)
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